この記事を書いた人
サツメ

夫婦ともに出版社勤務、都内在住の共働き子育て世帯。2025年2月に埼玉の地域密着工務店で東京都に注文住宅を建てました。

高気密・高断熱・高耐震で太陽光発電と蓄電池も備えた約34坪の2階建て4LDKで、工務店に支払った総費用は3707万円。建てて半年後の売却査定評価額は4926~4742万円。

買い手目線で、注文住宅を建てる際に知っておくべき情報を発信していきます。

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家づくりで最初にやるべきこと

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  • 家づくりって何から始めたらいいんだろう?
  • とりあえず住宅展示場に行けばいいのかな?
  • 間取りとかどう考えたらいいのかわからない…

ほとんどの人にとって、家をつくるのは初めての経験のはず。いったい何からやればいいのかさっぱりわかりませんよね。

家づくりを始めるとき、最初に決めるべきことは何でしょうか。間取り? 予算? 土地? どれも大事ですが、サツメの答えは違います。

最初に決めるべきは、「自分たち家族は、家づくりで何を大事にするのか」です。

サツメんちでは家づくりにあたって妻と話し合い、次の3つを家づくりの柱として決めました。

  1. 家族を守れる家であること(=家の性能面を担保すること)
  2. 「不動産資産」としての資産価値を意識すること
  3. 自分や家族の人生の満足度ができるだけ高くなること

この3つの柱が、住宅会社選びから間取りの細部まで、2年がかりの家づくりのすべての判断のモノサシになってくれました。

この記事では、サツメんちの「3つの柱」の中身と、それが実際の家づくりでどう機能したのかをお話しします。

先に断っておくと、これはあくまで「サツメんちの場合」です。

家に対する価値観は人それぞれ。自分の考えを押し付けるつもりはありません。

ただ、もしあなたがこの3本柱に共感してくださるなら、このブログの記事たちはきっとお役に立てるはずです。

サツメんちの家づくり3つの柱|機能的価値×2本+感情的価値×1本

まず全体像です。サツメんちの3つの柱は以下でした。

  1. 家族を守れる家であること(=家の性能面を担保すること)
  2. 「不動産資産」としての資産価値を意識すること
  3. 自分や家族の人生の満足度ができるだけ高くなること
サツメんちの家づくり3つの柱
サツメ家の家づくり「3つの柱」の全体像

言い換えると、①②は家の「機能的価値」、③は家の「感情的価値」です。そしてこの2種類の価値には、性質の違いがあります。

①は、誰が測っても同じ数値で、誰にとっても同じ価値を持ちます。たとえば耐震性・断熱性・気密性などの、家の性能です。耐震等級3の家は誰が住んでも耐震等級3ですし、C値0.5の家は誰が測ってもC値0.5です。つまり、客観的で、普遍的な価値といえます。だからこそ、①は②の資産価値につながります。

一方③は、人によって評価がまったく異なります。たとえばサツメんちの窓は、一般的な引き違い窓ではなく、妻の長年のあこがれをかなえた「上げ下げ窓」です。

上げ下げ窓を「素敵!」と思う人もいれば、「別に普通の窓でよくない?」と思う人もいるでしょう。それでいいんです。

③は主観的で、サツメんち固有の価値。誰かに評価してもらうためではなく、自分たちの満足のためにかなえるものだからです。

普遍的価値は資産になり、固有の価値は満足になる。これがサツメんちの家づくりの中心にあった考え方です。

大事なポイントは、この3つに序列はないということです。捨てていい柱や優先順序はありません。③に偏って①②を軽視するのもNG、その逆もNG。サツメんちは3つをバランスよく、できるだけ高いレベルで実現することを目指しました。

「機能の①②」と「感情の③」。この区別が、後から効いてきます!

柱①:家族を守れる家──「生活基盤インフラ」としての家の性能

柱の1本目は「家族を守れる家であること」です。

家は、家族の生活を支える「生活基盤インフラ」だとサツメは考えています。毎日をそこで暮らし、子どもたちが育っていく場所。そのインフラに求めたい観点は、快適さ・健康・安全性の3つです。そしてこれらを実現するのが、家の性能・機能です。

生活基盤インフラとしての家に対して、サツメんちが具体的に重視したのは以下でした。

  • 耐震性:耐震等級3必須。大地震から家族の命と、被災後の生活を守る土台
  • 断熱性・気密性:夏涼しく冬暖かい室内環境。ヒートショックなど健康リスクの低減
  • 太陽光発電+蓄電池:停電時・災害時にも電気を自給し、家族の生活を守るための備え

耐震については、「耐震等級3」という言葉だけで安心してはいけない理由も含めて、別の記事で詳しく解説しています。

太陽光発電と蓄電池の仕組みについても、記事を準備中です。

[内部リンク:太陽光発電と蓄電池の仕組み──ACとDC、パワコンの役割をやさしく解説]

柱①は「家族がずっと快適・健康・安全に暮らせるか」という観点。家の役割のど真ん中です。

柱②:資産価値──家は人生最大の買い物だから

柱の2本目は「資産価値の意識」です。

なぜ資産価値なのか。「家は人生最大の買い物」と言われるとおり、家は、人生でかかる費用のうち、単項目でずば抜けて金額が大きいからです。家の選び方・買い方しだいで、生涯の資産は数百万〜数千万円単位で変わります。この金額を家以外に使えたなら、日々の生活の余裕、子どもの学費、老後資金にどれだけ影響するか──だからサツメんちでは、家を「消費」ではなく「資産」として捉えることを柱の1本にしました。

結果はどうだったか。サツメんちは総費用約3,707万円で家を建て、約534万円の補助金を受け取り、引渡し後の売却査定では建物4,742〜4,926万円の評価がつきました。理論上、査定額4,742万円−総費用3,707万円+補助金534万円=約1,569万円、資産が増えた計算になります(※査定額は「今売ったらいくらか」の目安であり、実際の売却額を保証するものではありません)。

費用の実額と内訳は、こちらの記事ですべて公開しています。

【実際の金額公開!】工務店で高気密・高断熱・高耐震の注文住宅を建てるといくらかかる?
高気密・高断熱・高耐震の注文住宅、総額は3,707万円でした。本契約後に増えた約407万円の中身から補助金533万円まで、34坪4LDKの費用を項目別に全公開。「坪単価」が当てにならない理由も実体験から解説します。

そしてここで、柱①と柱②がつながります。

サツメんちの査定額は、「同等の建物を新築するといくらかかるか(再調達原価)」をベースに算出されました。つまり建物の性能が高いことを客観的に証明できれば、それがそのまま資産価値の裏付けになるのです。

思い出してください。①の性能は「誰が測っても同じ数値、誰にとっても同じ価値」でした。だからこそ、耐震等級3の認定、長期優良住宅認定、C値の実測値といった第三者の評価・実測の書類は、将来の買い手にもそのまま通用する価値の証明書になります。①を認定・数値でしっかり担保しておくことが、②の資産価値を支える──サツメんちの柱①と柱②は、こうしてリンクしています。

性能の「証明書類」は、家族を守る証であると同時に、資産価値の証明書にもなります。しっかり保管しておきましょう。

柱③:人生の満足度──要望書53ページに込めたもの

柱の3本目は「自分や家族の人生の満足度ができるだけ高くなること」です。やりたいこと、あこがれ、理想の暮らし。それをできるだけかなえることを目指しました。

柱①と柱②は建物の性能と価格、つまりあなたの家を建てる住宅会社が提供する建物そのものに依拠します。柱①と柱②は住宅会社選びの段階でほぼ決まるのです。一方柱③は、住宅会社を決めたあと、要望書と設計プランで可能な限りかなえていく要素です。

柱③で大事なのは、家づくりで自分たちがかなえたいことの解像度を上げて、住宅会社にきちんと伝えること。サツメんちはこれを「要望書」という形にまとめました。家族の紹介、理想の暮らしのコンセプト、新居でしたいこと、間取りの希望と優先度──全53ページの資料を自作して、プラン設計の前に工務店に渡したのです。

要望書表紙
サツメんちが工務店に渡した要望書の表紙。全53ページの力作!
要望書-理想の家のコンセプト
要望書より「理想の家のコンセプト」のページ。暮らしのイメージを言葉にして共有しました
要望書-基本間取りの優先度
要望書より、間取り要素に優先度をつけたページ。全部はかなわない前提で、優先順位を先に決めておきました。

当時まだ2歳だった次女の希望は聞けませんでしたが、年長だった長女の希望も盛り込みました。

要望書に書いた希望の中から、実際にかなった象徴的なものを3つだけ紹介します。

1つ目は、妻のあこがれだった「上げ下げ窓」。ジブリの『魔女の宅急便』が大好きな妻の、たっての希望でした。先にも触れたとおり、この窓をどう感じるかは人によって評価が分かれるでしょう。それを承知のうえで、わが家の満足のために採用しました。

サツメの妻のこだわり、上げ下げ窓とロールカーテン。

正直サツメ的にはどうでもいいポイントです。でも妻の希望を尊重しました。家は私一人のためのものではないですからね。

※ロールカーテンの紐は小さいお子さんの首がひっかかってしまわないように、子どもの手の届かない高い位置に留めておきましょう!

2つ目は、「子どもが小さいうちは家族4人で寝たい」。これは要望書に文字どおり明記していた私の希望です。今、サツメんちは毎晩家族4人で並んで眠っています。

旧居のマンションでは妻と子どもたちがダブルベッドに並んで寝ていて、私は隣に布団を敷いて一人で寝ていました。寝室がベッドを2つ並べる広さはなかったからです。

同じ部屋だけど一人だけ寝ている高さも違って、寂しかった…。

3つ目は、子どもたちの希望。要望書には「お庭でプール」という長女本人の希望をそのまま載せていました。夏の庭のプールは、今やサツメんちの定番行事です。

タイルテラスに広げたビニールプールの写真
タイルテラスに広げたビニールプール。LDKに隣接したタイルテラスなので、親は涼しい室内からプール遊びをしている子どもたちを見守ることができます。

要望書の作り方と、「かなったこと/かなわなかったこと」の答え合わせは、それぞれ独立した記事として準備中です。

[内部リンク:工務店に渡す「要望書」の作り方──サツメ家の53ページ資料を全解説]

[内部リンク:要望書の答え合わせ──かなったこと・かなわなかったこと・考えが変わったこと]

柱③のこだわりは、家の機能性を高めるわけではないし、不動産資産としての資産価値を高めるわけでもありません。

でも、それでいいんです。柱③は自分たちの人生の満足のためにやるものですから。

3つのバランス──③に偏っても、①②に偏ってもダメ

3つの柱に序列はない、と書きました。実際に家づくりを進めていく中で、柱どうしがぶつかる場面も出てきます。そのときどう考えたか、サツメんちの事例を1つご紹介します。

サツメんちは当初、「窓を大きく取って、窓を開けて風を通す開放的な暮らし」「自然を感じられる森の中のガーデンのような家」に強いあこがれがありました(柱③:人生の満足度、感情的価値)。要望書にも「気候のよい時期は窓を開けて風を通したい」と書いています。

私も妻も田舎の生まれ育ちで、気候のいいときは窓を開けて風をとおすのがあたりまえの環境で育ちました。自分たちが育った自然豊かで四季のうつろいが体感できる環境を、東京に建てる家でも再現したいと考えていたのです。

ところが家づくりの勉強を進めるうちに、高気密高断熱の家は空調設備で室内を快適な温度に維持し、機械換気で常に空気が入れ替えるため、窓を開けない前提の暮らしのほうが快適で合理的だと知りました(柱①:家の性能、機能的価値)。

窓を開けると、花粉やらPM2.5やら虫やらのうれしくないものが入ってくるデメリットもあることも認識しなおしました。

田舎の家は虫もたくさん入ってきてたもんね…。

考えた末、サツメんちは「窓の開放感」の解釈を変えました。開けるための窓ではなく、空と緑が見える窓。大きな窓で採光と開放感を確保し、窓から見える庭の植栽や眺めで自然や四季のうつろいが体感できるようにし、空調と換気はエアコンと換気システムに任せる。柱③の人生の満足度を捨てたのではなく、柱①の家の性能と両立する形にアップデートしたのです。

柱③だけを考えて大開口・窓だらけの家にしていたら、柱①の家の性能や快適性を損ねていたかもしれません。逆に柱①だけを見て窓を最小限にしていたら、柱③の「森の中のガーデンのような暮らし」は遠のいていたでしょう。柱どうしがぶつかったら、どちらかを捨てるのではなく、両立の形を探す。これがサツメんちのバランスの取り方でした。

家づくりの勉強をしっかりやっていくと、要望そのものが進化します。これも家づくりの面白さ!

3つの柱は「住宅会社選びのモノサシ」になる|サツメんちが比較した4社の例

3つの柱は、住宅会社選びでも力を発揮しました。住宅展示場やモデルハウスに行って実際に検討した4社の「当時のサツメんちの判断」がこちらです。

以下は各社の一般的な優劣の評価ではありません。サツメんちの3つの柱という固有のモノサシ(価値観)に照らした、当時のサツメんちにとっての相性表です。

住宅会社の評価をしたいわけではないので、具体的な住宅会社名は伏せています。各柱の評価軸を簡単に補足します。

柱①は家の性能面。耐震性、断熱性、気密性などの「生活基盤インフラ」としての家の性能がちゃんと担保できるか。

柱②は支払う総費用と得られる価値のバランス。「コスパ」と思っていただいてかまいません。

柱③は自分たちの感情面の希望やあこがれをどれだけかなえられるか、つまり理想のデザインや間取りがどれだけかなえられそうか。

住宅会社柱①
家族を守る
(家の性能)
柱②
資産価値
(コスパ)
柱③
人生の満足度
(デザインや間取り)
A社(性能系大手ハウスメーカー)
B社(財閥系大手ハウスメーカー)
C社(地域工務店)×
D社(サツメんちを実際に建ててもらった工務店)

A社(性能系大手ハウスメーカー)は、柱①の家の性能は申し分ありませんでした。さすがの大手です。ただ柱②の価格が割高で、間取りやデザインの自由度がかなり低いことも懸念点でした。そして3つの柱とは別の現実的な条件として、完成まで1年半以上かかるスケジュールが、長女の小学校入学に間に合わないため、却下の決定打になりました。

B社(財閥系大手ハウスメーカー)は、ナチュラル志向のサツメんちにデザインが完全に合致していて、柱③は文句なしの◎でした。独自の工法で柱①の中の耐震性能もトップクラス。しかし打ち合わせの中で、柱①の中のC値(気密性能の実測値)という概念自体が社内になく、性能面で柱①を満たせないと判断。柱②の価格もだいぶ高めでした。

C社(地域工務店)は、柱①の家の性能面も柱③のデザイン面も文句なし。訪問したモデルハウスの中で一番素敵だったのはC社です。耐震等級3に加えて制震ダンパーの提案もありました。ただ、柱②のコスパ面が悪すぎました。端的に言うと「お高すぎた」、という意味での×です。

D社(サツメんちを実際に建ててもらった工務店)は、標準仕様が充実していて家の性能が極めて高く(柱①:◎)、コスト記事で解説した費用要素を網羅した精密な見積書を最初から出してくれるうえにリーズナブルでコスパ抜群(柱②:◎)、そして設計・デザインの自由度が高い(柱③:◎)。3つの柱すべてで◎がついた唯一の会社でした。

こうして並べると、3つの柱がモノサシとして機能したことが分かっていただけると思います。こうやって自分たちの判断軸をあらかじめ定めておけば、住宅会社の営業トークに流されず、自分たちの軸で判断できます。

まとめ|あなたの家づくりの柱は、あなたが決めるもの

サツメんちの家づくりの3つの柱をお話ししました。

  • 柱①家族を守れる家:快適・健康・安全を支える「生活基盤インフラ」としての性能。誰にとっても同じ、普遍的な価値
  • 柱②資産価値:人生最大の単項目支出だから。柱①を各種認定や数値で担保し、証明しておくことが、柱②の裏付けになる
  • 柱③人生の満足度:価値観が人それぞれだからこそ、自分たちだけの満足になる。要望書で解像度を上げて住宅会社に伝えるのが吉
  • 3つの柱に序列はなく、バランスよく全てを大事にする。柱どうしがぶつかったら、両立の形を探す
  • 3つの柱は住宅会社選びのモノサシになる

最後に、いちばん大事なことを。今回ご紹介したのはあくまでサツメんちの家づくりの柱です。「絶対この3本が正しい!」なんて言うつもりはまったくありません。デザイン最優先の家づくりも、コスパ最優先の家づくりも、その人の人生にとって正解でありえます。あなたの家づくりの柱は、あなたとあなたの家族が決めるものです。

あなたの「家づくりの柱」はなんですか? それを決めるところから、家づくりは始まります!

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